治療院の利益を上げるためには、客単価や売上の向上が必須です。経営をしているうえで、客単価や売上が上がっていかなければ、治療院の存続にも関わってきます。
しかし、どういったアプローチをすればこれらの目的を果たせるのかとお悩みではないでしょうか。治療院の客単価や売上を上げるためには、練られた戦略が必要です。
そこで、本記事では治療院の客単価や売上を上げるための方法について紹介していきます。適切な対策を施すことができれば、患者さんが何度もリピートしてくれる人気の治療院へと発展できるでしょう。
売上を上げるのに必要なのは客単価と来院数

売上を上げるためには、客単価と来院数が大切になります。というのも、売上は「客単価×来院数」の方程式で決定されるからです。そのため、売上を上げるためには、来院数と客単価を少しでも上げる努力が必要となります。
ただし、これらの数字が極端になってしまってもいけません。1日の来院数が極端に多くても、客単価が安いと店の利益を大きく上げることはかないません。
また、客単価が高くても1日に数人しか来院しなければ、こちらも店の利益にはつながりません。つまり、売上を上げるためには客単価と来院数を良い塩梅で向上させることが大切だといえます。
客単価を上げる方法

続いては、売上を上げるために必要な要素である、客単価の上げ方について見ていきます。
客単価を上げる方法は次のとおりです。
・自費メニューを導入する
・価格の高い施術を受けてもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自費メニューを導入する
客単価を上げるためには、保険適用の施術だけでなく、患者さんが全額自己負担となる自費メニューの導入を検討しましょう。自費メニューであれば、治療院側で施術内容を決めることができ、患者さんに受け入れてもらえれば客単価の向上につながります。
ただし、保険が効かない自費メニューは患者さん側に必要性を感じてもらえなければ、敬遠され収益化にはつながりません。
そのため、その自費メニューは誰に向けたものなのか、値段は競合に比べて適切かといった点を意識しましょう。患者さんに必要性を感じてもらえれば、リピート客も増え、大きな収入源となるでしょう。
押し売りにならないように注意
自費メニューを導入するうえで注意しなければならないのが、決して押し売りにならないように気をつけることです。自費メニューは、保険適用の施術に比べて割高になるので、患者さんは施術を受けることを躊躇するでしょう。
そのような状態で、強く押し売りする形になると、治療院の信用を失いかねません。自費メニューをおすすめする場合は、決して押し売りせず患者さんの判断に任せるように意識しましょう。
価格の高い施術を受けてもらう
保険施術でも自費施術でも、客単価を上げるためには、価格の高い施術をなるべく多く受けてもらう必要があります。そのためには、患者さん自身に多少値段が高くても受けてみたいと思わせるメニューを作成することが大切です。
質の高い施術や需要のある施術であれば、値段が高くてもリピートしてくれる可能性は高くなります。客単価を上げるためにも、患者さんのニーズにマッチした施術を分析し、患者さんに必要だと感じてもらえるメニュー作りに取り組んでみましょう。
来院数を増やす方法

続いては、客単価と同様に売上向上のカギとなる来院数を増やす方法について見ていきます。
来院数を増やす方法は次のとおりです。
・新規来院数を増やす
・既存客の顧客満足度を上げる
・接客の質を向上させる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新規来院数を増やす
新規の顧客を増やすうえで、最初に考えつくのが新規来院数の増加を目指した対策ではないでしょうか。新規の顧客を増やすには、当院のことを多くの方に知ってもらい、来院してもらわなければなりません。そのためには、チラシやWeb広告などで宣伝して、当院の露出を増やす必要があるでしょう。
また、集客力をあげるために自院のホームページを制作したり、来院された患者さんに知り合いを紹介してもらったりするといった手もあります。新規顧客を開拓しない限りは、リピーターも増えていかないので、さまざまな方法で新規顧客の開拓に取り組みましょう。
キャンペーンを実施する
新規開拓の手助けとなるのが、キャンペーンの実施です。新規開拓には、数ある治療院の中から当院を選んでもらう理由が必要になるので、キャンペーンのようなお得感が得られるイベントが適しているといえます。
キャンペーンを行うと、客単価は下がってしまいますが、その患者さんがリピーターとなってくれる可能性があるので、長期的な目で見るとメリットは大きいでしょう。
また、新しく追加したメニューを認知させるためにキャンペーンを行うのも効果的です。
割引など、お得に受けられるキャンペーンで新メニューを試してもらい、結果として継続的な施術を受けてもらえるようにアプローチしましょう。
既存客の顧客満足度を上げる
新規の患者さんを開拓する大切さは容易にイメージできるかと思いますが、来院数を増やすためにはリピーターを増やすことも大切です。
リピーターの患者さんは、一度施術の経験があるので、その情報を元に一回目よりも質の高い施術を行えます。情報があるのでスムーズに施術に入れるなど時間効率の面で見ても、新規の患者さんよりも効率的です。また、リピーターが増えることで知り合いに紹介してもらえるケースも増え、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
リピーターを確保するためには、既存客の顧客満足度を上げる必要があります。顧客満足度を上げるためには、信用が必要です。質の高い施術はもちろん、親身なヒアリングなど、患者さんの容体に寄り添う細かなサービスが顧客の満足度につながります。施術を受けるならここと思わせる治療院作りに励むことが大切でしょう。
接客の質を向上させる
新規顧客に再度来院してもらって、来院頻度を上げてもらうには接客の質を向上させる必要があります。
治療は一対一のマンツーマンで行われるので、接客態度はとても重要です。そのため、接客の質が悪いと患者さんは居心地が悪くなり、リピートしようと思えなくなります。いくら技術があったとしても、接客態度の悪さによって、効果が出る前に離脱されてしまっては意味がありません。
逆に接客の質が良いと顧客満足度に直結し、客単価、来院数の両方を改善させることができるでしょう。
治療院の客単価や売上を上げるためには、自院の分析が必須

治療院の客単価や売上を上げるためには、適切な対策を施すことも重要ですが、まずは自院の分析が必須です。自院の弱みを知っていないと、間違った対策をしてしまい、売上アップにつながらない危険性があります。
そのためには、自院の売上アップの足枷となっているデータを洗い出して分析しましょう。
・客単価は高いけど来院数が少ない
・来院数は多いが客単価が少ない
・新規顧客はいるがリピーターが少ない
これらの特徴を持つ治療院では、売上アップの対策方法は大きく変わります。
対策の効果を最大限高めるために、まずは自院のデータを分析するところから始めましょう。
治療院の客単価・売上を上げるための方法についてのまとめ

今回は、治療院の客単価や売上を上げるための方法について紹介してきました。売上をあげるためには、客単価と来院数を良い塩梅で向上させる必要があります。そのためには、自費メニューを導入して客単価を上げたり、新規顧客の開発をして来院数を増やしたりする努力が必要です。
また、既存顧客の満足度を上げることによってリピーターを手放さないようにするのも大切です。売上は工夫なしに上がるものではないので、患者さんのニーズを調査し、患者さんに愛される治療院作りを意識しましょう。