治療院に限らず、ビジネスにおいて新規集客・問い合わせ獲得を行うためにはどうしても広告費がかかります。紹介など広告費をかけない集客方法ももちろんありますが、紹介にも限界があります。新規集客ができないといっていきなり反応率のわからない広告に大量に広告費をかけるのはただのギャンブルになってしまいます。
また、このページをご覧の方の中には、すでにチラシ配布やリスティング広告を出稿している、または出稿を考えている方も多いのではないだろうか。すでにどんな業界でも同業他社が広告を出しており、掲載順位を上位で表示させることが困難になってきています。
そこで今回は、多くの競合が存在する現代において生き残るための広告戦略・広告の適正金額・リスティング広告の出稿方法の一例をご紹介する。ぜひ、今後の広告運用の一助となれば幸いである。
広告費は、反応の良い広告への費用を増やし、反応の悪いものは修正するというテストの繰り返しです。大切なのでもう一度言いますが、広告はすべてテストです。本ページでは適切な広告をかけるための準備と、費用のかけ方についてご紹介して参ります。
広告規制について
アナログ広告とは違い、現時点でホームページや広告配信は柔道整復師法、鍼灸師法などの対象ではありません。また、歯科医院・クリニックなどもある程度の規制もありますが、ホームページ作成やネット広告の配信は可能となっています。SEO対策やネット広告でが検索画面の上位に表示されれば、ホームページへのアクセスや知名度アップの効果が見込めます。

引用:厚生労働省 あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000205429.pdf
ペルソナの選定

治療院の集客に限らず、経営においては非常に大事なのが、まずどういう顧客を集めたいかという「ペルソナ」、つまり理想のがーてっとを決めることです。
腰痛、肩こり、骨盤のゆがみ・・・治療院やクリニックにはいろいろな体や美容に関する悩みを抱えた人がいると思いますが、基本的にひとつの広告で一種類の患者を集めることになります。
1つのチラシや1ページで腰痛と肩こりの顧客を両方を集めることはできませんし、無理やりなんとか両方を集めようとすると、反応が落ちてしまいどちらの顧客を集めることもできなくなってしまうことも多々あります。
だから、まずはじめにどういう顧客を集めたいのかを決める必要があるのです。
集客する人、ペルソナを特定する
まずは理想の見込み客を考えるのですが、一番簡単な方法は現在来ている顧客の中で優良な顧客を選びます。今までにあなたにお金をたくさん払ってくれている顧客があなたの理想のペルソナです。例えばいろんな店舗としての理想の顧客を集めるという考え方だけでなく、腰痛の顧客を集めたい場合、現在腰痛で通院されている方の中でこの人と同じような人ばかりきてほしいなという人を一人ピックアップします。
次にピックアップしたペルソナがどういう人かを書き出していきます。
どこに住んでいるのか
家族構成は
趣味は
性格は
年齢は
性別は
悩みは・・・等。
このような感じでペルソナの情報を書き出していきます。このペルソナに対して心に響くような、そういう広告をつくることを意識して、ここから広告を作っていきます。
この際に、大事なのがペルソナに対して絞って対策することが重要なので、それ以外の対象を獲得したい場合(肩こりの人、脚の痛みの人など)に関しては別のマーケティング設計が必要となります。
整骨院・クリックなどに集客に向いているWeb広告は?

整骨院の集客に向いているのはyahooとgoogleにおける検索型連動広告、通称リスティング広告になります。なぜこのリスティング広告がオススメなのか、その理由を解説します。
今すぐ客を集客できる
『今すぐ客』というコトバを聞いたことはありますか?『今すぐ客』は、見込み客の中でも、特に購入につながりやすい層のことを指し、商品に対するニーズ(必要性)が高く、尚且つウォンツ(購買欲求)も高い(その商品が必要で、尚且つ欲しいと感じている)状態の、『コンバージョンに最も近いユーザー』です。

画像引用:https://www.urban-project.jp/blog/
この『今すぐ客』に集中してアプローチすることで、全体の営業効率・プロモーション効率や、利益率さえも高めることが可能になるのです。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)は、ユーザーがキーワードを入力して検索した際に、結果画面の上部に出稿される広告です。ユーザーのキーワードとWeb広告で設定したキーワードが一致した場合に、広告が表示されます。このリスティング広告は、ニーズ・ウォンツが明確になった顕在顧客へのアプローチに向いています。
また、google・Yahooどちらも地域(市区町村レベル)で絞り込んで広告配信が可能なので、ニーズのある見込み顧客に対し、商圏まで絞り込んであなたのお店の宣伝を届けることが可能です。
反応を上げるための広告の運用について

治療院やクリックなどにおけるWeb広告を成功させるポイントを解説します。
店舗のターゲットユーザーを明確にする
広告のターゲットを決めるためには、先述の通りペルソナ設計がとても重要です。はまりにも幅広く配信してしまうと集客の質も効果も下がってしまうため、配信の前に「誰に来院してほしいのか」という考える必要があります。
地域を掛け合せたキーワード×配信エリアを絞る
先述の通り、「整骨院」「腰痛」「肩こり」などの単体キーワードで広告配信設定や、広範囲で地域設定してしまうと、競合他社が多く、入札が上がってしまい結果的に費用対効果が悪くなる傾向があります。そのため、配信先地域の選定や地域名検索の組み合わせをうまく活用することが必須です。
例えば焼き肉店を探しているユーザーからすると
お店から半径5km限定で、
- 「焼肉 横浜」
- 「焼肉 食べ放題 港区」
- 「東京 個室 焼肉」
といったような検索を行い、その際に検索結果の上部などに広告が出ているような状態です。

ただ、ここを何も考えずに広告出稿時に「焼肉」とだけキーワード指定してしまうと、競合他社が多すぎて、入札単価がとても高くなってしまうだけでなく食べ放題のお店なのか、個室があるのかといった検索意図があやふやなので反応率が悪いことことも想定されます。
よって、あなたのお店のペルソナが何を求めているのか、しっかりと汲み取ったうえで入札する必要があります。
例えば整骨院の場合、
- 「整骨院 地域名」
- 「整骨院 矯正」
- 「整骨院 事故」
- 「地域名 腰痛」
鍼灸院の場合、
- 「地域名 鍼灸院」
- 「地域名 ぎっくり腰」
- 「症状名」
歯科医院の場合、
- 「地域名 歯医者」
- 「地域名 インプラント」
- 「地域名 ホワイトニング」
といったキーワードが挙げられるでしょう。
また、店舗ビジネスの場合、その地域住民が対象となるため、Web広告の出稿では配信エリア設定を行うことが重要です。地域ターゲティングとは、都道府県、市区町村、一部のエリアなど、広告を表示する地域を絞り込む機能です。
地域名と組み合わせたキーワードに対しては、広告文にも地域名を含めることで、広告のクリック率を高めることができます。例えば「熊本 整骨院」と検索するユーザーは、基本的に熊本市内で整骨院を探している人であることが予想されます。

さらに「熊本市 南区 整骨院」といったように細かいキーワードも設定すれば、より確度の高いユーザーに対して広告を表示させることができます。どちらのほうが院によって集客効果が強いかは容易に考えられるかと思います。

例えば、「東京都のなかでも大品川区だけに限定して出稿したい」といったような戦略を立てることができるのです。「接骨院×地域名」などのキーワードは当然競合他社も多く存在しているので、「整骨院×地域名×路線名」や「整骨院×地域名×最寄り駅名」などのロングテールキーワードであれば、競合は減るでしょう。
ユーザーに刺さる整骨院の広告を作成するには
ここでは、ユーザーに刺さる整骨院の広告を作成するポイントを紹介します。
自院の強みを取り上げた広告を作成する
整骨院のWeb広告では、柔道整復師法の範囲内で自院の強みを伝える広告の作成を心がけましょう。来院のメリットがわかりやすい広告は、ニーズを持つユーザーに刺さります。
例えば、「〇〇駅から徒歩5分」などアクセス性をアピールする方法は有効です。最寄り駅や自院への道順、所要時間などは規制の対象ではありません。駐車場に関する記載も可能です。駐車可能台数やコインパーキングの情報などは、積極的に取り入れましょう。
休日・夜間の施術も強みの一つです。「年中無休」の文言も認められています。連絡に必要なメールアドレスやFAX番号も広告に記載できるため、ユーザーとの接点が拡大します。
予約や出張での施術に対応しているなら、差別化を図るチャンスです。ただし、「完全予約制」の文言は使えません。保険で施術をおこなう整骨院では、利用の間口を狭める行為が禁じられています。予約をアピールしたい場合は、「予約優先制」の文言を使いましょう。
yahooとgoogleでは配信基準が異なる
yahooでは整骨院、鍼灸院などのサイトでは「ページ内に料金の記載」「広告文に腰痛などの症状の記載」が禁じられています。ただしキーワードは規制されていません。例えば、「腰痛」は広告には入れられませんが、キーワードには盛り込めます。柔道整復師法に違反しない方法で、「整骨院 腰痛」で検索した人に訴求できます。
ただし、googleに関しては特段広告配信でのNG項目はまだ少ないので問題なく配信できているため、現在の治療院・クリニック業界おいてはgoogle広告配信がメインでyahooがサブ配信といった戦略をとるのが一般です。
ただ、上記の理由からyahooのほうが競合もすくなく、また比較的年代が高い層のほうがyahoo検索をしているので獲得率が高い傾向もあり、ある意味ねらい目とも言えます。
広告文に営業日や営業時間、特徴を記載する
もしも、土日開業しているとか、夜遅くまで営業しているなどの特徴がある院の方は是非、広告文に土日祝日営業とか、営業時間の記載をしておくとクリック率や反応を上げることが可能になります。また、完全予約制・駐車場完備・子連れOK・託児所完備というった特徴を記載するとクリック率が高めることができます。

広告の予算の適正値について

新しい広告のテスト費用は1回5万円以内で
グループ院であればまだしも、特に一人治療院というのはとても小さなビジネスです。一人治療院でなくても大量の資金を持っている人は少ないと思います。一度の広告で大量の資金を失うと、再起不能になる可能性もあります。
五万円という金額は、私の地域で言うと新聞折込チラシならチラシ代込みで約一万円、ネット広告なら1クリック単価が100円で500クリックという広告の量になります。反応を見るだけならまずまず十分な数字です。
間違っても、例えば反応率の分からないチラシを20万円分新聞折込するなど、してはいけません。
LTVをもとに広告費を算出する
売上目標の10%から30%を広告費にかけるといいと言われています。実際にどの程度が適切であるかは市場と、あなたの施術の単価・来院頻度・リピート率によって異なります。
ですから一概に言うこともできないのですが、目標売上の20%を広告費として考えてテストをしてみると良いでしょう。
売上目標が100万円の場合、広告費は20万円となります。
注意して頂きたいのは、現状の売上の20%ではなくて目標売上の20%であるということです。なかなか広告費を多く支払うのは怖いですが、テストを繰り返して反応率を把握し、その上で新規顧客を一人当たりの獲得コストがLTVを下回っていれば、躊躇せず広告費を出しましょう。
広告の反応をより高めるために

治療院やクリニックなどの集客においてはWeb広告だけでなくホームページのコンテンツを充実させることも重要で、ホームページが充実すれば反応率が上がるので費用対効果が改善できます。流入してきた顧客が適切な情報をすぐ把握できたり、他社との違いも明確であり、とても使いやすい構造でスムーズに予約を完了できやすくなるため反応率が上がるということです。
また、Web広告からの流入に加えてgoogle,yahoo検索かの流入も増えれば、集客数が増え広告コストを下げられます。質の高いホームページだと検索エンジンに判断される必要があり、それにはサイトの使いやすさ、サイトの充実、改善・運用計画が必須といえます。
まとめ
マーケティングはすべて仮説検証の世界です。ひとつの施策に対してテストを行い、反応の良いものに費用を多くかけることが基本的な広告費の使い方です。
開業直後や、いままでデータを取っていない場合、LTVもわからない状態で広告を出す必要があるため、どうしても広告費を使いにくい状態かと思います。
しっかりとチラシ・ポスティングなどのアナログ集客と並行して、広告もテストしましょう。ネット広告で何を試しても反応が悪い場合はホームページ自体に問題がある可能性が高いため、ホームページを修正していきましょう。